吉野リョータのコラム

お母さん!その行為、虐待ですよ!

お子さんに一度たりとも手を上げたことがない、という親でも、場合によっては「虐待」に該当することも十分あり得ます。

前ページ(虐待の定義とは?どこからが虐待?)でも触れた通り【相手に選択肢を与えず自分の思いを強要する行為】が日常的に繰り返され、該当者が適切な判断ができない状態になったり、自立的な判断ができない状態だとしたら、それは言葉や態度による精神的な虐待、とみなされる場合があるのです。

アダルトチルドレン克服カウンセリング【京都心の相談室】には、暴力は受けてはいないものの、親の価値観を押し付けられ、自分では判断が許されないまま大人になってしまった方がご相談に来られます。
この章では、どういう形で日常の「コントロール」が繰り返されるのかについてお話していきます。

 

忙しい、時間がない、わかるはず、が招く混乱

例えば「Aという行為はしてはいけない」ということを伝えるために、通常の流れでは

「Aという行為はいけない」→「なぜならAという行為をするとこういう問題がある」→「大きくなってもAをしないよう注意して欲しい」という流れに沿って、本人が理解できるように話し合うべきことが、さまざまな事情でついついこのステップを飛ばしてしまうことがあります。

「Aはやっちゃだめ!」→「いいから言うことを聞きなさい!聞かないと◯◯(罰則)よ!」
と、Aという行為の危険性を伝えることを飛ばして「Aをさせないために罰則を用意する」という方法を使い続けると、子供は正常な判断ができずに罰則を恐れるようになります。

どんな言葉が罰則に繋がるのか。具体例を挙げると
「言うことを聞かないと家に入れてあげません」「パパにあとで怒ってもらいますからね」「ご飯抜き」「ウチの子じゃない」「遊ばせない」「ひどい目に合わせるよ」という感じです。

 

ことさらに危険性を伝えるのも脅迫的な虐待のひとつ

先ほどの例は『問題を指摘せずに罰をほのめかす』というものでしたが、問題をことさらに大きくして(危険性を課題解釈して)脅す、という方法もあります。


「食べ続けたらガンになって死ぬから◯◯で売っているものを食べてはダメ」
「◯◯で死ぬ人はみんな◯◯を食べているのよ」
「外に出るときは必ず◯◯をしなさい。でないと伝染病にかかるわよ」
「(親の)言うことを聞かないとあんな風な人になっちゃうよ」


このような感じです。

 

親御さんの不安な気持ちから、お子さんの危険行動を回避させたい気持ちがあるのは理解できます。
ただ、お子さんの判断を奪うような直接的、間接的な指示(命令)がコミュニケーションの中心になっていないかを注意する必要があります。

 

虐待というものは与えている本人は気づかなくても、与えられている側にはどんどん蓄積していく、という特徴があります。「相手はまだ子供だから、私が教えてあげなければ…」という思いは、ときにお子さんの判断を奪い、コントロールすることにもなりかねません(他人の領域コントロール)。

 

 

「つべこべ言わずに親の言う通りにすればいいの」という思いが心にあるのなら。
ここまで読まれて気になる点があるとしたら。少し離れて、お子さんにも立派な人格があることを理解して付き合っていって欲しいと考えています。

100点を取らないと許さない親

実際によくご相談を受ける例としては

「100点満点が取れないと小遣いをもらえなかった。小遣いが欲しければ100点を取る以外の選択肢がなかった」

「生活態度のすべてを【ポイント制】で管理された。言うことをきかなかったり、テストの点数が悪かったら、今まで貯めたポイントがゼロにさせられることもあった」

「「あなたは何も考えずに勉強だけをしていればいい」と言われ、自分で判断することを許されなかった。感情を持つことすら禁じられたような生き方をしてきた」

こんなご相談が本当に多いのです。

お子さま本人はコントロールを受け、生きづらさを感じてしまっているのと正反対に、親の方は「子育てがうまく言っている」「反抗期もなくいい子に育ってくれた」と満足気に周囲に語る場合もあるのです。

「良い子」の前に「都合の…」がついていないか?

「ウチの子はホント良い子なの」と言っているその影で、当のお子さまは学校で99点しか取れなかった自分の答案を見て、怯え、悲しみに暮れて泣いているかも知れないのです。

もしこのページをご覧になっておられるあなたが、実際にこのような目にあってしまっていたり、親の立場として、今まで「良い子」だったお子さんが急に不登校や昼夜逆転、うつ症状などを訴えるようになってしまったら。

今までの接し方に

・親の思う通りのレールに載せようとしすぎてこなかったか
・子供自身の思考や想いに接することができていたか
・まるで自分の所有物のように考えてこなかったか
・子供はいつまでも子供。自分がいないとどうにもならない、と決めつけていないか

という点を見直す機会がきた、とお考えいただければ、と思います。

 

親は誰だって初心者から始まる

誰だってベテランの親なんていません。
例え何人のお子さまがいようと、そのお子さまを授かったのは始めてで、それぞれの向き合い方は違うし、お子さまは日々成長を続けていきます。

親業に「これでいい」などはありません。
常にお子さまと向き合い、自分自身の育て方に慢心することなく、常に謙虚に向き合っていくことが大切です。

そして今もし。お子さまが不調を訴えたり、逆にこの記事を読んだ方が不調を感じているお子さま側だったとしたら、どうかご相談くださいね。

あなたは一人ではありません。そしていつだってやり直すことはできます。
ACカウンセリングはそんなあなたのことを応援し続けていきます。

 

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あなたとお会いできるのを楽しみにしています。

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