うつはうつる?

「うつはうつる」の仕組み

大阪 京都カウンセリングねぎらい流心の相談室の吉野リョータです。

相談室には、うつと診断された方ご本人だけでなく、そのご家族や恋人などがカウンセリングに来られることがあります。
みなさん大切な方をなんとかしたい。少しでも元気になってほしい、でもどうしたらいいかわからない…と、藁をも掴む気持ちでご相談にいらっしゃいます。

と同時にご相談者ご自身が心配されるのは「私もどうにかなりそう」「やっぱり「うつはうつる(鬱は伝染る)んでしょうか」という声です。

(この記事は2016年12月10日にリライトしました)

 

うつがうつる条件

大阪 京都カウンセリングお悩み相談室では
うつはうつりません。ですが、条件によっては自分もうつになることができます
と答えしています。

この記事にも書きましたが、私はうつと診断された方や、ご自身でうつ症状がある、と判断された方のお話を伺う度に、元気と勇気をいただいています。そしてご相談時間が終わるころには、互いの課題を見つけ合って、双方が笑顔になれるようなお話の進め方を心がけています。(関連記事:「うつになる人は弱い人?

ですが、ある条件をクリアしないままで、うつをなんとかしようとすると、場合によっては「うつる」という状態になってしまう可能性もあります。
もしご家族や恋人にうつ症状の方がおられたら、是非下記の記事をお読みいただければ嬉しいです。


うつとの向き合い方

大阪 京都カウンセリング【ねぎらい流・心の相談室】では、うつと向き合うご家族に対して
相手を変えようと思わないでください」とお伝えしています。

こんなことを言うと「何言ってるんだ!それでもカウンセラーか」というお声が聞こえて来そうですが、それでも敢えて言います。
うつの相手を無理に変えようとするから複雑になる。変えられなくて混乱するから伝染るのです。

うつ症状は本当につらいものです。
そして。弱いからうつになったのではなく、必死にガマンして、ガマンにガマンを重ねて。
それでもどうしようもなくなって、限界点を越えてしまったのがうつ(鬱)と言われるものの正体です。

往々にして周囲は、うつ状態に陥ってしまった人に対して「弱い」「ガマンが足りない」「気持ちのもちよう」「◯◯すればいいよ」などと言い始め、まるでうつになった人が悪いような扱いをしはじめます。
このような扱いをしないまでも、必要以上に気にしすぎて腫れ物に触るような対応をしてしまうのが、うつの方に対する誤った向き合い方なのです。

 

うつになったことをただ受け止めてあげてください。

うつを変えよう、治そうと思うと複雑化・長期化します。
それは心の根底に「うつは困ったもの」「悪いもの」という思いがあるからです。


確かにできるだけ早くこの問題を解決・復帰して欲しいのもわかります。ですが、まずは大切な方が「うつに至った経過を理解して、ただ受け止めるステップ」が絶対に必要だ、と考えています。


うつの方は周囲のサポートを受け「こんな自分でも受け止めてもらえる」と心の底から信じられた段階で、少しずつ自浄作用が働き、自分の意思で折れた心を癒やす作業を始めていくのです。

 

大阪 京都 カウンセリング【心の相談室】に来られるうつのご家族がおられる相談者に対して私は
「心が折れるまで頑張り抜いたご家族を受け入れるところから始めましょう」とお伝えしています。

「うつがうつる」本当の理由

うつがうつるのは理由があります。
逆な言い方をすると、この理由に該当しないようにすれば、うつがうつることはありません。
最初に書いたように「元気がもらえて共に笑顔になる」ことだって不可能ではないのです。

うつがうつる理由① うつの家族を変えよう(治そう)とする

「相手を変えることはできません」というのが【ねぎらい流・心の相談室】のカウンセラーの基本姿勢です。相手を変えようとすればするほど、いつまで経っても変えられないことにイライラしたり、余計に複雑になったり悪化したりして、自分の正論が否定され続けたような気分に(お互いが)陥っていきます。
そうなると、治そうと躍起になっていた方までもが疲弊してしまい、気付いたら自分も心が折れていた、ということになりかねません。

相手を変えることはできません。ただし。相手を理解し、寄り添うことは可能です。
寄り添う姿勢で接して欲しいと思っています。

うつがうつる理由② あせってしまう・変化に一喜一憂する

周囲が「早く良くなって」と思ってしまうと、なかなか変化が起こらない現状にイライラし、ご自身の心が耐え切れなくなる場合があります。
うつと診断された場合、早くても1~3ヶ月。長ければ何十年、という期間が必要となります。

ここで周囲があせってしまうと、全員が「ダメな現状をなんとかしなければ」と感じてしまうのです。

「この現状はダメだ」と思ってしまうと長期化します。
「この現状にはどんな学びと気付きがあるんだろう」と考えると、ほんの少しの変化でも有難く感じるもの、なのです。
良くなったときに共に喜ぶのはいいのですが、少し悪くなったときに共に悲しんだり落ち込んだりするのは避けたいものです。

即解決したいお気持ちもすごくわかります。
「困ったもの」「早くなんとかしなければならないもの」という思いを感じておられるのは、誰よりもうつになったご本人が一番強く重く感じておられます。
そのあせりを周囲が煽らないようにしてあげて欲しいのです。

うつがうつる理由③ 罪悪感を持ってしまう

毎日つらそうな顔をされてしまうと、周囲のご家族が罪悪感を感じてしまわれる場合もあります。
【ねぎらい流・心の相談室】にカウンセリングに来られるご家族も「私がもっと◯◯していれば」とおっしゃる方が少なくありません。

罪悪感を感じてしまうと、それを償うための行為が必要となります

必要以上に献身的に尽くしたり、自分の分まですべて与えたり、全部背負いすぎようとしてしまうと、それがプレッシャーやストレスとなり、ご自分のメンタルまで不調になる場合も少なくないのです。

ご家族がうつになったからと言って、ご自分が罪悪感を感じる必要はありません。
「そうは言っても罪悪感を感じさせるような言動をされたり、周囲から「あなたがちゃんと見てあげなかったからよ」と言われたこともあります」とおっしゃる方もいらっしゃいます。

それでも敢えて言います。周囲の方が罪悪感を持って、償いの精神でうつの方に接しても、それは改善にはつながりません。強い罪悪感を感じてしまわれている場合は、どうか心の相談室にご相談ください。

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